
新時代の縫製工場経営
辻洋装店 ①

「日本一高い縫製工場」をうたう東京・中野にある辻洋装店。委託加工を主力としながらOEM・ODM事業を強化している。イメージコンサルタントの望月順子氏が手掛ける「マグノリアコレクション」との取り組みで培ったノウハウを生かし、服作り未経験者のブランド立ち上げの指南役も。「サンプルよりも量産」にこだわり、都市型縫製工場の未来を模索する。
――現状の事業構成は。
「主力ブランドの委託加工が売り上げの約五割。三割は他のアパレル向けで、残り二割ほどがOEM・ODMです。OEM・ODMは利益率も高く、こちらが主体となって仕様や納期を考えられます。デザインから関わるのでやりやすい面もあります。望月さんのように、発信力があり感度の高い人たちの仕事を伸ばしていきたいと思っています」
――OEM・ODMではどのような依頼が来ていますか。
「最近は自社のブログを見て、『ブランドを立ち上げたい』という人が来てくれます。ブログでは、どれだけお金がかかるかも公開した。だからお金も熱量もある人が来てくれる。でも、誰に売るのか、いくらで売るのか、販売方法はどうするのかが決まっていない人が多い。自分で購入したベルベットの生地を持ってきて『これで格好いい服を作りたい』と言うけれど、デザイン画も無ければ誰に売るかも決まっていない。別の人は、有名百貨店でポップアップで売るというので、出店料も相当かかることを知っているのか聞いてみたら知らなかった。でもその人たちは勇気を振り絞って来てくれた。最近私たちは、まず一型売ることから始めましょうと提案しています。コレクションのように在庫リスクを抱えて商売するのではなく、まず一型を絶対値引きしないで売るやり方、できれば受注生産で、顧客に訴求するプラットフォームも必要ですと話しています」
――コンサルティングですね。
「だから僕たちもそういう思いを持った発信力がある人たちを育てたいと思っているんです。フォロワーが一万人以上いれば、買ってもらえるきっかけもある。自分の思いで作ってそこで支持されれば喜んでいただけます。以前は、『お金を払ってもらえるか』とか『一型で終わったら嫌だな』と考えすぎていた部分もありました。でもこれではダメだ、育てる姿勢でデザイナーである発信者が喜べるようにコストをあまりかけずにできるコンサル的役割でやっていこうと変わりました」
――望月さんのブランドが成功している理由は。
「発信力と服に対する思いが強いこと。イメージコンサルタントをやられていたので、服を客観的に見ているし言語化するのが得意ですよね。ファッションは感覚ですけど、その感覚を言語化できる。そしてフットワークが良いので、サンプル作成時など、ちょっとジャッジをして欲しい時にすぐ来て下さる。素材を触りながら意思疎通がとれるのでスムーズです。受注販売でセールを行わず、売れ残りを出さないビジネスモデルも理想的です」
――モノ作りの面でのこだわりは。
「いつも言っているのですが、サンプルと量産だったら量産が大事。サンプルは見栄えを良くしてカタログなどに載せるのでとても大事ですけれど、サンプルと量産のギャップでがっかりする人は多い」
――どのような対応をしている。
「完全サンプルはサンプル担当。量産前の完全仕上げの後、班サンプルを班長が作り、まずそこをチェックします。その後の量産の初回五枚の中から一枚を抜いて見る。なぜかというと、一人で作ったサンプルと複数の手が入って作った物だと、伝達ミスなどから出来上がるものが違ってくるからです。そこで比較検討することでサンプルとのギャップをなくす。会社でそういう仕組みにしているので、それが安心感につながればいいなと思っています」
2026年7月1日付
アパレル工業新聞
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メローロックのサンプルを依頼されたのでいくつかご用意させ...
こちらのワンピースも辻洋装店が制作させていただきます。 ...
未来のお客様に辻洋装店を知っていただくために、会社紹介の...
(2021年5月追記) 業界では当たり前すぎてわざわざ...
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