依頼者(絵型をもってきて)「上代30,000円のOPを作りたいのですが、お願いできますか?」
辻洋装店「(加工賃3,000円は無理だよ)うちでは難しいですかね。」
依頼者「いくらならやっていただけますか?」
辻洋装店「(3,000円じゃ全然無理なんだよ) 何枚作る予定ですか?」
依頼者「50枚です」
辻洋装店「(それなりに作るんだ)そうですか。在庫とか大丈夫ですか?」
依頼者「全部受注会で受注してから発注しますから。いくらならやっていただけますか?」
辻洋装店「(だから3000円では無理なのよ)このデザインならウチでやると、、、(諦めてもらう為にちょっと高めに言っとくか)約10,000円くらいになっちゃいますよ」
依頼者「是非お願いします!」
辻洋装店「えっ?(大丈夫なの?)原価いくらでやるつもりですか?」
依頼者「半分ぐらいのつもりです。」
辻洋装店「(素人か?)それで採算とれるんですか?」
依頼者「(ったく頭の固い人だな)ネットで売るのでそんな心配いりませんよ。」
辻洋装店「(確かに色気出して過剰な在庫さえ持たなければできるか・・・プロパー消化率100%ってことね)サンプルからやってみましょうか?」
依頼者「ありがとうございます。お願いします!」
頭の固いおじさんにはキツいジョークにも聞こえますが、実際にこんなご依頼が本当に増えているのです。(ご依頼者様には洋服づくりの経験がない方も多数!)。
こんなことが継続的に実現できれば、、、
●余剰在庫なし!
●値引きなし!
●後から欲しくなった人が現れたら待ってもらう!(決して機会損失ではなくブランド価値を上げるチャンスになる)
●売れ残りなし!
●衣料廃棄なし!
●破格の原価率でも利益!
●いいものを適正価格で購入できる!
●三方善 (売り手よし、買い手よし、作り手よし)!
●サスティナブル!
なんだかいろんなヒントがありそうです。
さて、6回にわたってシリーズでお届けしてきました『【費用は?】アパレルメーカーが縫製工場で洋服を作るまでの流れ』はいかがでしたか?
縫製工場とアパレルメーカーの一般的なやりとりを記そうとしたのに、『その3』あたりから完全に“辻洋装店のケース”になってしまいました。
価格が高すぎる!
こんな時間かけられるか!
都内と地方でちがう!
・・・・
など、同業者やお取引先様からさまざまなご批判を承知の上、あえて書かせていただきました。
大袈裟ですが、国内でのモノづくりの未来を考えるきっかけになれば、と思います。
業界が変わってきているのを肌で実感しています。
既存のビジネスモデルは崩壊しつつあります。
次のビジネスモデルの大勢は何か?
辻洋装店はどうするのか?
モノづくりは深化させつつ、変化を楽しみたいと思います。
東京都内の高級婦人服縫製工場三兄弟の三番目
ツジゴウ
エリザベス女王の国葬に参列されるため天皇皇后両陛下が英国...
メローロックのサンプルを依頼されたのでいくつかご用意させ...
こちらのワンピースも辻洋装店が制作させていただきます。 ...
未来のお客様に辻洋装店を知っていただくために、会社紹介の...
(2021年5月追記) 業界では当たり前すぎてわざわざ...
Magnolia collection (マグノリアコレ...