業界では当たり前すぎてわざわざ文章にすることも憚られるようなことが(サプライチェーンの一つ川上に行くだけで)意外にも全く知られていないこと、結構あります。
新しいアパレルメーカーや専門店からの問い合わせも増えているので、何回かに分けてこんなタイトルで書いてみます。
私たちの当たり前はどこまで当たり前なのか・・・
ものづくりの視点から洋服を大きく分けると3つに分類できます。
【布帛】・・・主に縦糸と緯糸からなる織物を裁断して縫製します。辻洋装店は布帛の重衣料(ジャケット、コート、ワンピースなど)を得意としています。
【ニット】・・・編み物。セーターは主に横編み機で成型されたパーツをリンキングミシンで編みつないであります。
【カットソー】・・・主に丸編み機で編まれた反物状の生地を裁断して縫製(カット&ソーイング)します。Tシャツ・スウェット・ジャージなど。生地の仕込みなど川上の背景をもつ会社もあるようです。(二友会の仲間に教えてもらいました)
それぞれ業界が違うと言っていいほど違います。作る会社も設備も技も人も違います。
“作りたい商品がどこに属するのか”でアプローチする分野が変わってくるのです。
なのでここでは【布帛】の縫製工場のことを・・・。シャツやボトムはほとんどが専門工場です。他のアイテムは縫えないと思います。加えて婦人服か紳士服か、または商品のグレードによっても工場の棲み分けがされています。辻洋装店は今のところ【布帛の婦人服の高級重衣料】になります。高級重衣料の分野ではその縫製工場独自の工業用パターン作成が必須になります。
※ある程度の規模の工場を想定しています。熟練職人が数人でやっている、小さな工場もあります。
縫製工場の棲み分けを知ったら、作りたい商品を一緒につくる縫製工場を探します。
それが面倒だと感じる場合は各種マッチングサービスを利用する方法もあります。
http://www.apako-news.com/factory_list.html
http://factory.superdelivery.com
地域によっては組合もあるのでそこから探すこともできます。
また、可能な場合は“詳しい人に聞く”のが一番早いでしょう。
狭い業界ですのでHPには載っていない情報が得られるかもしれません。
そもそもHPを持っていない縫製工場が非常に多いのですが・・・。
作りたい商品に(イメージ、カテゴリー、価格帯などが)近い既存のブランドがあれば、それを元に生産背景を探るのも一つだと思います。各縫製工場のHPに得意とするアイテムや主な取引先が載っているハズなので(なければ写真などで判断)細かくチェックして、その縫製工場の特徴を掴みましょう。ハンドステッチなどの特殊ステッチや加工が必要な場合は設備のチェックも忘れずに。
合いそうな縫製工場が見つかったら、アポイントを取って見学に行ってみましょう。
次回はアプローチのタイミングとその際に必要な情報について書こうと思います。
東京都内の高級婦人服縫製工場三兄弟の三番目
ツジゴウ
つい先日まで辻洋装店の社内にたくさんあって、 皆で手間...
Magnolia collection (マグノリアコレ...
このたび代表取締役の職を辞任いたし取締役会長に就任いたし...
ご好評いただいている辻洋装店の【夏ノマスク】。...
業界では当たり前すぎてわざわざ文章にすることも憚られるよ...
『メローロック』とひとことで言っても実は様々なモノを指し...