極薄シルクから極厚ウールまで多種多様で感性に富んだイタリア製生地を高級婦人服に仕立てるためには、あらゆるトラブルを回避・軽減するため、各部門(パターン、裁断、縫製、まとめ、プレス)に様々なノウハウがあります。
縫製部門では“ミシン針の選択”もその一つといえます。
しかし、生地に適した針を選ぶには針の種類を知る前に、ミシンの基本構造と本縫いの組成を知ることが大切です。
針が生地を貫通して戻るときに針穴の片側にあるえぐれで上糸に少したるみ(ループ)ができます。そこに下糸のある釜の剣先が通ることで上糸と下糸が結び目を作り縫目が形成されます。(これを理解していると針の向きを間違えてミシンにセットすることがなくなるハズです)
その上で針の種類・特性を知り、生地と糸に合わせていきます。
日本には世界に誇る針メーカーである「オルガン針株式会社」があるのでFISMAに行くたびにブースで話を聞き、全てのカタログとリーフレットは社内でファイリングして常時参考にさせていただいています。
縫製トラブルには必ず原因があるのでそれを探りながらですが、本縫いミシンでもっとも頻繁に使う針は#9#11のKNかNSです。ちょっと何かあったら試しにKNかNSを使ってみます。
目飛びしたら・・・
糸返りしたら・・・
糸引きしたら・・・
ピリついたら・・・
糸切れしたら・・・
針は数ある原因の一つなのでこれが全てではないですが、大いに助けられています。
あとは解説を添えて在庫を整理整頓しておけば、必要な人が必要な時に即試すことができます。
繊維の中までは見えないし、時には生地に貼られた芯も影響するので針の選択は基本的にトライアンドエラーの世界だという認識です。高級婦人服の縫製の場合、扱う生地の種類が多すぎるので苦労して最適を見つけてもその生地と再会する可能性はほとんどないのが現実です。
辻洋装店社員の経験値は増すばかりなのです。
東京都内の高級婦人服縫製工場三兄弟の三番目
ツジゴウ
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