繊維ニュース10/30号に載せていただきました(^^)
事例研究 『産地の技術継承』
見直されるメードイン・ジャパン 産地の技術受け継ぐチャンスは今!
生産現場を深刻化する人手不足に次世代見据えた取り組み始まる
国産の繊維素材や製品が見直されている一方で、生産規模の縮小が続く国内産地は、様々な課題を抱えている。とくに後を継ぐ人材の不足はもっとも大きな課題でもある。そのなかで織布、染色、縫製など各分野の国内生産現場では産地の技を伝え、受け継ぐ取り組みが始まっている。
婦人向け高級既製服を縫製する辻洋装店(東京都中野区)は、社員による技術力を武器に安定的な操業を続ける。ただ、多くの縫製工場は海外への生産拠点シフトなどの影響で厳しい状況を強いられている。近年は国内回帰の高まりでやや回復基調にあるとはいえ、地方の縫製工場では人手不足が深刻化しているのが現状。縫製工場にとって「人財育成」と「技術伝承」はビジネスを続けるうえで、大きな課題となっている。
そうしたなか同社は、昨年4月の消費増税による影響を乗り切り、今年は国産回帰の流れを追い風に新規開拓を進めるなど躍進が目立つ。辻庸介社長は、「人を育てることが技術力向上につながる。その延長線に技術伝承もあり、縫製業にとって人材育成は大きなカギを握る」と語る。
「縫製業は人が携わる工程が多く、社員個人の縫製能力が商品に反映されやすいので、技術力は会社にとっての生命線」と述べる辻社長。同社では全社員約50人のうち20代の女性が多くを占める。今年も5人の新卒社員を採用するなど人材登用には意欲的に取り組んでいる。
辻洋装店
生え抜き社員育成に専念
基本的には中途採用は行っておらず、新卒者にこだわる。「学校卒業後に真っ白の状態で入社することで、良い服を見極める目が育ちやすい」(辻社長)と独自の考え方で、生え抜き社員の育成を徹底している。
入社後のサポート体制も充実する。プロフェッショナルスクールのセコリジャパンスクールと連携し、日常業務とは別に1年間縫製技術について学ぶ「ジョブ・カード制度」を導入している。効果は個人差が出るものの、中には同制度を弾みにその後の業務で飛躍的な活躍をする社員もいるという。
また、縫製技術の向上を目的とした基礎練習の場も設けている。そのための必要な材料も同社が手配し、社員の技術力向上を促進する。ほかにも、定期的に勉強会を開くなど社員が成長しやすい環境作りには余念がない。
技術面だけでなくファッションの感性を養う教育にも力を入れる。売り場やファッションショーの見学などを行っており、「物の価値を判断できる目を養い、日常業務に役立ててほしい」と辻社長は語る。
こうした職場環境は社員の高い満足度につながっている。実際に結婚や出産を理由に退社した社員が復職するケースも少なくない。なかには通勤できないことを理由に自宅で業務に携わる社員もおり、定着率の高さをうかがわせる。
来年も新卒者の採用を実施する予定で、昨年よりも多めに採用する考え。ただ、辻社長は「人を雇うだけが人財育成につながるとは限らない。とくに経営者は利益を得るためだけの人材教育になりがち。もちろん、会社存続のため利益追求は必要だが、それとともに職場の就労環境にも気を配り、社員一人ひとりが職場で人間性を磨ける体制を作ることが、経営者にとっての本当の人財育成だ」と語る。
中野ケンシロウ
東京都内の婦人服プレタポルテ縫製工場でいつまでたっても修行中!
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