BLOG 2024.09.23

縫製工場とのマッチング

服を作りたい人や会社と縫製工場とのマッチングはとても難しいと感じています。それだけを生業としている人もいるくらいです。
でもお互いのタイミングなどが重なって運命的にパッとお取引が始まるケースもあったりします。

『辻洋装店は高級婦人服の重衣料の製造を得意としています』

『メインの取引先様はJunAshidaです』

アパレル業界の人にはこれだけでどんなグレードのものを縫っているのか、大体理解していただけます。でも、業界外の人には「？」なことが多いでしょう。

高級ってどのくらいから？

明確な定義はありません。ジャケットの上代（売値）で10万円〜でしょうか？20万円〜でしょうか、、、。店舗も在庫も持たずに受注生産するMagnoliacollectionの製品は売値は中級品？ですがデザインを含めたクォリティは高級品でしょう。

紳士服はできないの？

所謂メンズのスーツはほぼ100％紳士服専門の縫製工場や工房で作られています。対してレディースのスーツやジャケットは婦人服の縫製工場で作られたものが大半ですが、メンズライクなスーツなどは、紳士服の縫製工場で作られることもあります。そもそも紳士服の仕立てと婦人服の仕立てが全く違うのです。なので辻洋装店でも紳士服は作れますが、婦人服仕立てでどこか女性らしい、柔らかい印象の服になります。（←こんな要望でビッグシルエットのメンズジャケットを受注したこともあります）

重衣料ってどんなの？

コート・ジャケット・スーツ・ドレス・ワンピースのことを指します。ワンピースは中衣料だという話もあるようです。ニット・Tシャツなどのカットソー・ブラウス・肌着が軽衣料となります。

高級服が出来るなら何でも出来るんでしょ？

それがそうでもありません。ニットは編み物なのでまずムリです。辻洋装店に編み機は一台もありません。カットソーは高級仕様のワンピースなどを稀に受注しますが、Tシャツやパーカーなどは特殊なミシンやバインダーを使うケースが多く、ほとんど辻洋装店では縫えません。専門のカットソー工場をお勧めします。ブラウスも専門工場で縫われることが多いでしょう。特殊なデザイン、特殊な生地のブラウスは辻洋装店で受注することもあります。

JunAshidaさん？

一般的に普段から一番多く作っている製品が一番得意なハズです。辻洋装店ではご皇室の方々が公式の場でお召しになるようなシンプル、エレガント、ラグジュアリーなお洋服を数多く手掛けています。とはいえ最近ではカジュアルブランドからのお問い合わせも増えています。

 

それでは、ここ数年で実際にあった少し変わったお仕事依頼をご紹介します。

テーブルクロス

辻洋装店でも縫えると思いますが、コストが掛かりすぎると思われます。専門業者は専門の機械を駆使して海外生産です。

 

高級パジャマ

お話を伺っただけで断念。辻洋装店でも縫えますが、コストが合いませんでした。

 

特殊な手袋

得意そうな同業者をお勧めしました。辻洋装店で作るお互いのメリットが見当たりません。

 

特殊なマスク

コロナ禍にサンプルだけ制作しました。その後は担当者と連絡が取れず。。。

 

メガネの鼻あてカバー

いくつかサンプルを制作しました。量産にはつながらなかったようです。

 

自転車乗車時のレインコート

防水テープとか止水ファスナーとか、、、専門のノウハウがありそうな気がします。

 

各種ユニフォーム

お話はよくいただきますが、いまだに実現していません。ユニフォームデザイン、耐久性、サイズの多さ、辻洋装店の得意とする服の雰囲気がうまく融合できれば。。。研究の余地はありそうです。

 

スポーツ選手の手のひらなどを冷やすバンド

社長の熱意に押されてスタート。素材選定・形状など開発から任されました。サンプル制作を重ね、選手からのフィードバックも得て最終的には極めてシンプルなカタチに。
→セリスタ

 

メローロックのサンプル

リボンの裁ち端処理としてごく少量の依頼。時間単位で料金をいただきました。
→shu uemura

 

オリジナルデザインのお洋服

アパレル業界未経験の望月順子さんは作りたいものが明確です。デザイン以外の服作りは全て辻洋装店が任されております。
→magnolia collection

最近は取引先様（アパレルメーカー）もずいぶん幅が広がってきました。

JunAshida/45R/Drawer/minaperhonen/ESTNATION/saqui/ANTOS.　・・・

 

東京都内の高級婦人服縫製工場三兄弟の三番目
ツジゴウ