辻洋装店社長が載っております(^^)
『人材育成』。これはどの様に考えるべきでしょうか?
婦人服製造業に入り20代前半(1963年)に修行から自社へ戻り、初めて仕事をする時に考えていました。
仕事を覚え一生懸命に働いてお金を稼いで、貧しさから少しでも豊かになって家の暮らしが楽になることを望み、懸命に働き続けた事を覚えています。
しかし、働けど働けど我が暮らし楽にならず、の通り我が家はより良くなるはずもなく時が過ぎていきました。
今思い返すと焦って仕事をしていたのでしょう。
ある若手の勉強会で人を育てる事が出来ない企業は儲からない、という事を聞き人材育成に取り組み始めました。
2~3年すると少しずつではありますが、結果が出始めました。
やはりそうなんだ、人材育成をもっとしていこうと考える様になり、人材育成に考えが集中して、会社にも積極的に取り入れて経営をするようになりました。
初めに、社員のスキルを上達させる取り組みをしました。
職業訓練校の山手ファッション学院に通わせながら、社内でも各習熟度によって訓練及び勉強を繰り返しました。
東京でファッションの仕事が出来るということは、かなり環境が整っているといえます。
それは東京がファッションの最先端の街だからです。
ウィンドウを眺めることもファッションショーを観ることも思いのままです。
感性が一番磨かれる場所にいるということです。
そんな中での人材育成は鬼に金棒と思い、夢中になって経営をしていました。でも思ったほど業績は良くなりませんでした。
そんなときにあるきっかけがあり、迷い考えました。
人材育成とキレイ事を言いながら、社員のスキルが上達して仕事が出来るようになり、そして会社が儲かる、というスキームは会社の論理であり、経営者の欲望の現れではないのか?
そこで得たスキルは本当の意味での相手のためになるのか?
他社でも役立つものなのか?広く社会で承認される人間としてのスキルなのか?
いや待てよ、仕事のスキルは目にも見えるが心の中は見ることが出来ない、もしかしたら見ることが出来ない心の中が重要で、心が人間の行動を変えていくのでは?
そう考えていたある時に、道徳教育の講義を受講してみました。
そこで得た事は、人材育成とは、会社の為になるだけではダメで、本人を含め広く社会の為になる『人財』を育成することが重要であると教えてもらい、それが正解であると心に納得致しました。
その後も道徳の勉強を続けていますが、勉強すればするほど、社員または周りの人を育成するのではなく、自分が立派な人間に成長しなくては(未だなっていませんが)社員を育成することなどとても出来ない、と思い人材育成の考え方を再発見したわけであります。
我が社は零細企業ですので、人材育成の取り組み方で技術と能力を視ることは出来ます。
そして心の中や人間性を形として視ることは出来ません。
しかし、その人の行動を通じて心の中身を想像・理解しようとすることは出来るはずです。
若い社員に教えることは並大抵の事ではありません。
その為には先ず自分が少しでも質の高い良識的な人間を目指して、日常の考え方や行動を変えていかなくてはなりません。
その事が少しでも出来るようになった時に初めて身近にいる方への感化力が備わってくると思います。
最近ある方から、人材育成をしている企業は業績が大変よろしく儲かりますか?という質問を受けました。
勿論、人材育成をしている会社の方がしていない会社よりはよろしいと思いますが、人間性・技術・感性を合わせた人材育成が少しずつでも根付いたとき、儲かる企業というよりは、永続する企業に近づけるのではないかと思うのです。
日本は200年以上継続している企業が世界で断トツに多い国だといわれています。
お互いにより良い人材育成をして、社会や国家に貢献出来るような会社になることを目指したいものです。
中野ケンシロウ
東京都内の婦人服プレタポルテ縫製工場でいつまでたっても修行中!
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