東京中野の縫製工場「辻洋装店」| 「縫製仕様書を鵜呑みにしちゃダメ」

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BLOG 2018.01.19

「縫製仕様書を鵜呑みにしちゃダメ」


言われたことをただひたすらこなしていく作業は比較的簡単です。丁寧に描かれた親切な組み立て説明書があれば複雑な折り紙でも模型でも完成度の高いものができる筈です。
アパレルの世界には縫製仕様書や指示書があっても組み立て説明書はありません。作り方は縫製工場にお任せです。その縫製仕様書や指示書もパーフェクトなものを作ろうとすると大変な労力を要することは容易に想像がつきます。

縫製工場の現場では
「あれっ?指示書にはこう書いてあるけど・・・本当にイイの!?」
などということが各部署で頻繁にあります。

縫製仕様書・指示書は各社多種多様

・糸の色(ステッチ糸・ロック糸・ボタンホール糸)が生地に合わない
・柄の指示を守ると寸法が変わってしまう(柄のピッチや生地幅の変化などによる様々な矛盾)
・生地の不良箇所を全て避けると大幅減産になってしまう
・(追加生産時に)生地の色が前回と大分違う
・ほつれる生地だけど本当にロック不要?
・フレアの量に対してヘムが太すぎて表に影響してしまう
・・・・・
・・・

「でも指示書にちゃんとこう書いてあるし・・」と気付かなかったことにするのは簡単ですが、辻洋装店ではその都度上司に報告しアパレルメーカー担当者さまに再度の確認をお願いします。辻洋装店は量産の縫製工場なので、量産の生産をストップして新たな指示を待ったり新たな対策を講じたりすることは本当は避けたいことです。
しかし、指示通りの服を作って取引先さまをがっかりさせてしまうことは本意ではありません。様々な矛盾や困難を取引先さまと共に解決していきながらお互いに良いパートナーシップを育んでいければ、と考えています。

辻洋装店の若い社員はよく「指示書を鵜呑みにしちゃダメ」と注意されます。その指示の裏にある意図にまで想いを寄せるその積み重ねが、品質だけでは語れない『TSUJIの服』を作るのです。

東京都内の高級婦人服縫製工場三兄弟の三番目
ツジゴウ

 


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